2004年、夏 イタリア

学生の頃、バックパッカーとして友達とパリを旅行していた時のこと。大きなリュックをしょって友人と二人で地下鉄にのって立っていると、友人(男性)が金髪のティーンの女の子4人に突然囲まれました。その少女たちは全員腕に、脱いだ上着のようなものをかけて近づいていき、その上着で手元を隠して、友人のリュックや持ち物から何かを抜き取ろうとしていました。幸い私たちはすべての箇所を南京錠でとめていたことと、私が手を引いてすぐに次の駅で降りたため、何も盗まれずにすみましたが、あの時の少女たちの暗く怖い目つき、上着を手にかける手慣れた常習犯感、なによりもその子たちの若さ(12歳〜16歳くらい?)に、ものすごーーく気分が落ち込んだのを今でも覚えています。
と同時に、イタリアという国の当時の経済の不安定さや、貧困層の貧困など、いろんなことが頭をめぐりました。私たちも学生でユースホステルを渡り歩いている身だったのでお金などありませんでしたが、そもそも旅行をしている時点である一定の余裕があるのは世界的に見ても明らかなので、色々考えさせられた体験になりました。
その後の旅行中も、たびたび窃盗の危険にはさらされ、後ろにしょっているリュックは体に密着している分無防備なので、気をつけなければ…と思いました。