2017年6月 イタリア トリノ

その日は地元のサッカーチームユベントスとスペインのレアル・マドリードがチャンピオンズリーグ決勝で対戦するということで、トリノは地元チームの応援に沸き立っていました。旅行で訪れていた私は、こんな経験もなかなかないと思い、初めてスポーツバーに行って、地元民に混じって熱狂的な雰囲気の中でサッカー観戦をしてみることにしました。私のいたスポーツバーの近くの街の中心の広場で大きなスクリーンが用意され大勢の人々が広場に集まって観戦していました。試合の後半、突然大きな音とともにひしめく人々が一方向に走り出し、大パニックに。それは、まるで津波のように人々が一斉に広場の方角から走ってきて、私は何が起きたのか全くわからず後ろから押されて走り転び、ビールジョッキの破片を靴が脱げてしまった裸足で踏んづけて流血し、大変な事態となりました。数日たってニュースで、広場で熱狂的なファンが爆竹を鳴らしたことでテロだと思った人々がパニックに陥り、その中に私も呑まれてしまったということがわかりました。こんな時、何が起きたか把握できずどこへ逃げるのが正解かも全くわからない。テロを疑似体験した強烈な経験となりました…。