2016年11月 インド バラナシ

個人旅行で、インドのバラナシを訪れました。ガンジス河がメインのつもりでしたが、郊外にも足を伸ばしてみたくなったため、現地でオプションツアーを申し込みました。日本のインド専門の代理店を通し、申し込みをしました。

チップをせびってくる現地人にうんざりしながら、車に乗り込み、最初の訪問地である寺院前に停車。大きなリュックが私の荷物のすべてでしたが、用心のためそのまま持って車を降りようとしたところ、付き添いのガイドが、「ドライバーがいるから、荷物は置いて行っていい」と言いました。暑い中重い荷物を持ち歩くのは確かに大変かと思い、彼に従い、半時間ほど観光を済ませた折、ガイドの携帯電話が鳴りました。すると、そのインド人ガイドは急に顔を青ざめたかと思うと、何も言わず一人寺院のほうにとぼとぼと歩み始めました。何の説明もなく立ち去ったガイドを不審に思いながら、後を追い、車の前でうなだれている彼を見てすぐに私は状況が理解できました。急いで車に駆け寄り、後部座席を見ると、私の黒いリュックは消えていました。
ガイドの説明によると、ドライバーがカギを締めたつもりで、近くの屋台でチャイを飲んでから車に戻ってきたところ、ドアはロックされておらず、リュックが盗まれていたとのことでした。ドライバーの落ち度であることは論を俟ちませんが、自分のミスでなく、他人の不注意で荷物まるごと盗まれた悔しさに、初めてのインド旅行はひどい思い出に変わってしまいました。
不幸中の幸いか、パスポートや貴重品はすべて身に着けていましたが、歯ブラシやら着替えやらガイドブックもまるごと消えてしまいました。それでも、インド人らは、「パスポートと貴重品があるのなら大丈夫、またインドに来てくれよ」といけしゃあしゃあと言い、一度も誤らなかったのはさすがでした。