カナダ

1995年 カナダ トロント

学生時代に語学研修でカナダのトロントに行きました。
大学の春休みを利用した2か月間です。
語学学校を探したり、飛行機の手配など初めて自分一人でやりました。
カナダは比較的安全だと教授からも聞いていましたし、実際、ホストファミリーの家では外出時鍵をかけたりしません。
私の場合治安ではなく、別なトラブルでした。
まず、空港に着いたら、屈強そうな黒人のポーター(?)がカバンを持ってくれました。
このことは事前に地球の歩き方を読んで知っていたので、5ドルも払えばいいかと思ってお願いしました。
次に「WELCOME~」のようなボードを持って待ってる人たちがたくさんいるので、その中で自分の名前を探したのですが、いくら探してもないのです。
しばらくポーターさんも一緒に探してくれ、インフォメーションの方にも話してくれたのですが、首を横に振るだけ。
15分くらいたっても見つけられないので、ポーターさんは「そろそろ行かないと」的なことを英語で言いました。
それで5ドル払うと「時間がかかったのでこれでは足りない」と言われ、もう5ドル払いました。数時間待ってもお迎えは来ず、学校に電話しても、週末だからか誰もです、私は血の気が引く思いでした。
もう遅かったので、インフォメーションの人に安いホテルを紹介してもらい、ホテルのシャトルバスに乗りました。
車中で隣になったインド系の男性がニヤニヤしてやたらこちらを気にするのです。
なんだろうと思っていると「今夜一緒にどう?」と言われました。
私はこんなの初めてだったので驚きましたが、「ノーサンキュー」と言って断りました。
ホテルの部屋は小奇麗でしたが、鍵がフックタイプですぐ開けられてしまいそうでした。
私はベットの上でこれからどうしようと途方に暮れ泣いていました。
すると、誰かがノックするのです。
私はさっきの男が私がどこの部屋に入るのかを見ていたのを知っていたので、怖くなり息を殺してドアを見つめました。
ノックはしつこくて、最後には若干体当たりをしている感じだったので、でかいスーツケースをドアにくっつけてこちらからも押しました。
しばらくして立ち去ったようでしたが、気が抜けなくて夜はほとんど眠れませんでした。
結局翌日学校に行くと、ホストファミリーが日にちを間違えて迎えに来なかったらしいのです。
ホテル代も学校が支払ってくれました。でも、とんでもない思いをしました。
トロントは食べ物も美味しく、街も綺麗です。
夜も比較的安全でしたが、クスリの売人がいたり、娼婦がいたり、場所によっては危ないのでご注意を。