フランス

2010年 フランス パリ

フランスへ短期留学をしていた時のこと、
私はすっかり仲良くなったフランス人男性の職場に毎日寄っていました。
どうゆうことかというと、彼は警察官で、裁判所の前で門番をしているのです。
ですから、私がパリの街並みを散歩している時に通りかかると、彼がいるわけです。
フランス人は、もちろん仕事にはしっかり従事しますが、恋愛の目配せも欠かしません。
本当にそうなのです。
門番なんて、恋愛探しにはもってこいの担当で、そんな中で私と出会ったのかもしれませんね。
私が危険な目に遭ってしまったのは、もちろんこの彼ではありません。
その日、一緒に担当していた別の警察官のフランス人です。
私が彼と一言だけ交わして、あとは仕事後に会いましょう、と立ち去ったのですが、裁判所の建物の脇から、もう一人のフランス人警察官は回り込んできて、私に話しかけました。
彼を待っているのなら、裁判所の中にとっても良い場所があるので、そこで待っていられると、といって、私に付いておいでというのです。
彼の相棒なのかと思っていましたし、警察官ですし、場所は裁判所だから、なんとなく私も安心してしまい、うかつにも付いていってしまいました。
階段をどんどん上がるのですが、その階段は、フランスの文化財ともいえる美しくアールデコ調の装飾が施された階段と廊下、素晴らしいシャンデリアの回廊を歩いていくと、美しい小部屋があり、そのドアの中へと入りました。
事務的にも使う部屋のようでしたが…するとその警察官は、ドアの鍵を閉めて、私を抱き上げて、猛烈な愛撫を始めたではありませんか!
びっくりした私は、つい足の力が抜けそうになりましたが、これはフランス人の挨拶なんだ!と信じて、必死で抵抗し、彼に携帯電話をなんとかしてかけながら、振り切ってドアの鍵を開けようと努力しました。
これは、私の本当にミスです。
昼間であっても、どんな場所であっても、誰であっても、よく知らない人に付いていってはいけないのです。
常識ですね。