ミニチュアワンダーランド(Modelleisenbahn Wunderland Hamburg)

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ハンブルクは港で知られた街。運河が走る倉庫街港の近くに倉庫街があるのですが、全盛期ほど倉庫が倉庫として使用されているわけではなく、現在では色々な事業のために二次使用されています。その一角を使って、鉄道模型ジオラマのテーマパークがあります。その名もMiniature Wonderland Hamburg。その規模はもちろん、技術、こだわり、収益のいずれを取っても「世界一」言って良いのではないでしょうか。鉄道模型に携わる人間として、聖地を巡礼してきました。

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見つけました。倉庫ですので、外観は他の倉庫と変わらず。控えめな看板が目印ですが、どこの倉庫よりも人が出入りしているので、わかりやすいです。

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世界中から観光客が来場するようです。ものすごい数の言語で書かれたパンフレットです。もちろん日本語もあり。日本語のパンフレットはこちらで、PDF形式で公開されています。ご覧下さい。
MWL日本語パンフレット

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これまた控えめな入り口。3Fだったと思います。しかし、混雑時は入場規制がかかるらしく、待ち時間を示す掲示板があります。

DATE
ほぼ全てのミニチュアがHOゲージサイズでの作製。
線路の全長=12000m
面積=1155平方メートル
人形=約20万人
車両は貨車だけで14000両
信号=1200個
ポイント=2500個
コンピューター=40台
2009年現在
ハンブルク、ハルツ、クヌッフィンゲン、北欧、オーストリア、アメリカ、スイスの7つのエリアから構成され、それぞれに特色のあるジオラマを盛り込んでいる。
2000年から製作を開始。
現在新たに4つのエリアを着工しており、2014年に完成予定。

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入場するといきなり、土産物コーナーです。多少拍子抜けです。

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「入場したら巨大ジオラマが一面に!!」というシーンを創造していたのですが、違うようです。いくつかのエリアに分かれていて、それを一つずつ見て回るという方式です。厳密に巡回ルートが規定されているわけではないので、どうやらどこから見ても良いようです。私はまず、入り口は行って直進の、スイスエリアから。人形の配置にも物語があるのがすごいですね。全体を見て圧倒されて、その後に細部を見て感心して。二度おいしい楽しみ方を提供できるのがジオラマのおもしろさです。そびえ立っているのは、マッターホルンです。アプト式の真ん中のカムレールまで再現されています。「わかる人にだけわかる」これも魅力ですね。

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野外ライブの模様です。ステージ横のスクリーンには実際のライブの映像が流れています。一面のライブ会場。人形の数がすごいです。

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ライブ会場近くのトンネル。ちゃんと中まで作り込まれています。

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トンネルを抜けると中世の城が!!そこら辺のむちゃくちゃさ加減には目をつむってください。しかし、意外と気になりません。スケール等も含めて、多少無茶な部分はありますが、不思議と気にならないんですよね。

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時間が来ると夜になります。

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エリアとエリアの継ぎ目に通路があります。通路の一角が切り取られています。のぞいてみると・・・地下鉄駅になっていました。小技が効いています。階段の一部が透明になっていて、そこにも列車が走っていました。

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セメント工場らしいです。スイスといえばセメントなのでしょうか。ここのエリアは押しボタンがたくさんあって、それを押すとギミックが。クレーンが動いたり、音が鳴ったり。参加型のジオラマ。楽しいです。

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この、ミニチュアワンダーランド。どんどん進化しているそうです。現在の規模の少なくとも倍くらいにはなりそうです。2012年までは拡張予定が発表されていました。こちらは2009年中に公開予定の「空港」です。作成している過程まで公開してしまうのですね。空港のエリアはほとんどできていませんでしたが、なぜかエアバスA380だけは、ほぼ完成されておいてありました。

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各エリアの大きさはまちまちですが、おおよそ10m×20mくらいでしょうか。倉庫の区画の内何区画を使うかによるみたいです。そのエリア内で完結する路線もあるのですが、エリア感をまたがって運行する列車もあります。線路の長さは全長12000mだそうです。12km!写真は、らせん式レール。エリア間の運行のために高さをコレで調整します。

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列車の運行は全てデジタル制御されています。列車のみならず車や、船、潮の干満まで制御。制御室も公開されています。全長100メートル以上ある路線がざらにある施設ですので、きちっとした管理が必要なんですね。デジタル制御に関しては日本の鉄道模型技術はまだまだ遅れている気がします。

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スキー場、宮殿、仮装行列、恐竜の化石発掘場。

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地元のサッカーチーム「ハンブルガーSV」のメインスタジアムです。基本的に1/80のHOスケールで作成されているのですが、こちらは1/150のNスケールで作られています。理由は簡単。HOにすると大きすぎるからだそうです。さすがに人形は動きませんが、巨大スクリーンに試合の模様が映し出されています。もちろんハンブルガーSVのボロ勝ちでした。

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ハンブルク駅です。少し前のバージョンです。

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ケールブラント橋というハンブルクの巨大な橋です。
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おふざけ系です。鳥人間コンテストと車真っ二つ。これを本気で何時間もかけて作っているんですよね。たぶん。こういう遊び心もちりばめられています。

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ラスベガス!夜景がきれいです。

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港町の水は本物の水で表現。メディウムなどで作っている箇所もありました。用途に応じて使い分けています。

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移動遊園地です。
楽しそうです。FALLERから製品化されていますね。基本的に既製品を多く使っているようです。製品カタログに載っているような物が多くありましたし、実際に作業場ではFALLERの空き箱が転がっていたりしました。ただ、ハンブルク駅などのワンオフ物もたくさんありましたので、そこらへんは作業時間等も見てメリハリを付けてやっているのでしょう。手を抜ける所は抜いておかないと、この規模の物はできません。

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ベルリンの壁崩壊の瞬間です。こちらは他の展示施設と別に「歴史的一瞬を再現するコーナー」に成っていました。こんなシーンも再現できてしまうのですね。

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ジャミロクワイもおすすめ。ミニチュアワンダーランド

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メルクリンとロコのオリジナル商品が売店で売っていました。なんだか余っていそうなので、買いませんでしたが・・・。土産物はさほど充実していませんでした。これほどのミュージアムなので、もっとたくさんお土産があっても良いかと思ったのですが。

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ハンブルクUバーンのBaumwallという駅から徒歩10分くらいでした。他にもアクセス方法はいろいろとありそうです。

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まだまだ進化するミニチュアの聖地。かなりの刺激を受けました。日本にもできないかなあ。土地も資金も相当に用意しないと難しいですよね。「橋を一つ造るのに1000時間かかりました」なんて書いてありますので、ボランティア的な報酬じゃなきゃ運営できないかと思います。しかし、願えばいつか!!夢見ていこうと思います。

Footrail管理人

全国チェーンの鉄道模型店に勤務しています。仕事と趣味を兼ねた旅行を多く敢行しています。せっかくですので自分の仕事にもつながるよう当ホームページを開設しました。旅行記を主にしながら、イギリスの保存鉄道訪問記を「鉄道模型店員の「ぐるっと海外鉄道旅行」」にまとめています。

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1件の返信

  1. 2014年11月2日

    […] もちろんミニチュアワンダーランドも見てきました。 そちらの模様はこちらから。 →ミニチュアワンダーランド(ハンブルク) […]

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