2005年 韓国ソウル

高校での学生生活もあと半年で終わる頃、少し早めの卒業旅行を計画し、友人5人ぐらいで韓国へ行くことになりました。パックツアーを利用し、二泊三日の旅行ではソウル市内をいろいろまわって買い物や観光を楽しむ予定でした。出発の日、あいにくの雨でしたが、みんな時間通りに集合でき、何のトラブルもなく韓国の地に降り立つことができました。基本的にはバスでの移動だったので、快適に観光名所を順番にまわって、初日の観光を終えてバスに乗り込みホテルに向かおうとした時でした。急に買い物袋を下げた60代前半くらいの女性がバスに乗り込んできて、韓国語で大きな声で叫んでいました。何かするわけでもなく、ただ乗っている私達を怒鳴りつけるだけでした。慌てて乗務員さんと運転手の方々が引っ張り出してくれましたが、車内は騒然としていました。みんな何を言われたか分からなかったのでポカーンとして待っていると、乗務員さんが戻って来られ、大丈夫ですよーと言うだけで何事もなかったかのように出発しました。あの年配の女性が何を言っていたのか聞いても、大したことではないと教えてもらえませんでしたが、この旅行で怒鳴られたことはこれだけではありませんでした。二日目のソウル市内の自由行動で地下鉄を利用した際に階段を降りていた私達にすれ違い様、また違う年配の女性に何かを大きな声で言われたのを鮮明に覚えています。
何を言われたのかは両者とも分かりませんでしたが、少し気がかりなのは日本と韓国が歴史的に繊細な立ち位置にいるということでした。怒鳴られた後に乗った地下鉄でこれまた年配の男性の方に「Are you from」と聞かれ「Japanese」と答えた時の少し怪訝な表情がそんな気持ちにさせているのかもしれません。