アメリカ

2010年 ニューヨーク郊外

海外旅行で起きた危険なできごとは、格安のホテルに泊まった時でした。
宿泊費を浮かせようと、ニューヨークの郊外の格安ホテルに1人で泊まったのです。

その辺りでは何かと事件が多いところで、ホテルまで行くのにも怪しい人が多くて苦労しました。黒人の人が多いのですが、若い黒人グループが道路にたむろっていて、その間を抜けるようにして行かなければなりませんでした。

明らかに違う人種の私の顔を見ては、ヒソヒソと話しています。嫌な予感がして、そこを走るようにしてホテルへと行くのでした。

その次の日、いつものようにそこを歩いて行こうと思ったら、そこに座っていた黒人グループが私を囲んできたのです。
「うわ、どうしよう」と思っていると、その中の1人が英語で私に怒るように言ってきます。ほとんど英語の分からない私は、「ワッツ?ワッツ?」と言っては逃げる時を狙っていました。

でも、その黒人達は私の紙袋を見ては英語でまくし立てます。
どうも、その紙袋の中に入っているものが欲しいようなのです。
中には5万円もするブランドバックが入っていました。紙袋の文字を見て、ブランド物と分かってしまったようです。

どんどん近くに迫って来る黒人達の迫力に負けて、とうとうその紙袋を差し出してしまったのです。
その紙袋を渡された黒人達は、まるで波が引くように去って行きました。

とても警察に言う勇気もなく、泣き寝入りをしてしまいました。
どうも、後からその場所のことを調べたら、そういった事件がたくさんあるようでした。
事前のリサーチをしておくべきでした。